経費一覧の空欄「誰と・場所・目的」を、カレンダーと突き合わせて埋める
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- バックオフィス
- 実行頻度
- 月次・確定申告期
AIの出力を実務で使えるようにするために、「確度」を色で見せるという設計をした事例です。仕組み自体は単純ですが、この一工夫で使えるものになりました。
課題
接待交際費や会議費は、金額と日付だけでは足りません。「誰と」「どこで」「何の目的で」が必要です。ところが記録を付けるのは支払いの現場で、そこでメモを残す余裕はありません。
結果として、経費の一覧はこうなります。
- 日付・金額・店名は入っている
- 「誰と」「場所」「目的」は空欄
- 数か月経つと、本人も思い出せない
思い出す手がかりはカレンダーにあります。その日その時間に誰と会っていたかは残っているからです。しかし数十件・数百件の行について、1件ずつカレンダーを引き直す作業は現実的ではありません。
やったこと
経費一覧の空欄を、カレンダーと突き合わせて埋める手順を作りました。ポイントは埋め方ではなく埋めたものの見せ方です。
1. 日付と時間帯でカレンダーを引く
領収書の日付、そして分かる場合は時間帯から、その時刻に入っていた予定を探します。予定の参加者・場所・件名から、同席者と目的を組み立てます。
2. 裏が取れたものは赤、推測は青で書く
ここがこの仕組みの中心です。書き込む文字の色を2つに分けました。
| 色 | 意味 | 人がやること |
|---|---|---|
| 赤 | カレンダーの予定と対応が取れた。同席者名も予定に載っていた | 目で流す程度の確認 |
| 青 | 対応する予定が見つからない、または時間がずれている。前後の文脈からの提案 | 1件ずつ確認して直す |
AIに任せると「全部それらしく埋まる」のが困る点です。埋まった表を渡されると、どこを疑えばよいか分かりません。確度を色で分けておけば、人は青だけ見ればよいことになります。確認すべき量が、最初から目で分かります。
3. 既にある記載は、絶対に上書きしない
自分で書いた内容が消えるなら、この仕組みは使えません。空欄にだけ書き込み、既に何か入っているセルには手を触れないようにしています。
成果
- 空欄を1件ずつ思い出す作業がなくなった。思い出せない分はカレンダーが覚えています
- 確認すべき箇所が色で分かる。全件を見直す必要がありません
- 手で書いた内容が消えない。何度実行しても安全です
- 予定が見つからない支出は青のまま残るので、そもそも計上して良いのかを検討する対象としても浮かび上がります
横に展開するときのポイント
「AIに埋めさせて、人が確認する」業務は経費以外にも大量にあります。そのときに効くのは次の点です。
- 出力に確度を持たせる。色・記号・別列のどれでもよいので、「裏が取れた」と「推測」を必ず分ける。これがないと、全件を人が見直すことになり、自動化した意味がなくなります
- 推測を禁止せず、推測だと明示させる。禁止すると空欄ばかりになって手がかりが減ります。書かせたうえで印を付けるほうが実用的です
- 既存の記載は触らせない。「空欄にだけ書く」を最初の約束にします
- 照合の元になる記録を決めておく。この事例ではカレンダーでした。突き合わせる相手が1つ決まると、精度が安定します